社長が訊く Wii プロジェクト

任天堂の新しいゲーム機、Wiiの開発者に、社長である岩田聡氏自らが話を聞くというとてもユニークな企画。そして、その中身もとても濃い話が満載である。これは必読コンテンツ。

最初の話題はハードについて。CPUパワーとか速度とか新型リモコンではなく、消費電力の話題から始まるのが面白い。全体を通して読んでみると、なんで低消費電力にこだわったのかが分かり、Wiiが目指す方向というものが理解できる。デザインについてもしかり。「誰からも嫌われないデザイン」というコンセプトがなぜ必要か、そういう視点がちゃんと結果に結びついていることがわかる。

また、開発にかかわっている人たちが結構年齢が高いというのが分かって面白い。いいオトナが真剣にゲームについて語っているのだ。イケイケを目指さずゴージャスでないゲーム機、リビングの置き場所を考えたデザイン、それでいておもちゃであることを忘れず、そういうものを作るのには、若さの勢いよりもオトナの円熟が必要なんだろう。そういうことがにじみ出ている感じがする。

それにしても、任天堂というのは凄い会社だなぁと思う。自らが作り上げてきたゲーム機の王道(=両手で持つリモコン)を壊すというのは勇気が要ることだろう。しかし、このインタビューを読んでいるとそういう新しい試みは自然と任天堂の社風として出てくるもの、という認識をみんな持っているようで、それがファミコン時代から続いているのだ。新しいことを目指して壁にぶち当たっても自然と解決できるノウハウが蓄積されているというようなことが書かれていたが、それが会社の財産というのは凄いことだぞと思う。

これまで、ソフトの任天堂という認識でいたのだが、このインタービューを読んでみて感じたのは、狭義のソフト(=ゲームソフト)ということではなく、人も含めたソフト資産を持っている会社なんだなーということなのだろう。認識を新たにしました。

というわけで、Wii買うことに決めました(笑)

メーカー
任天堂
人名
岩田聡